新着情報

「やせメタボ」に要注意

2025.03.03

メタボリックシンドローム、通称「メタボ」というと、太っている人の問題と思われがちですが、必ずしもそうではありません。近年の研究では、普通体型の方や、やせ型の方でもメタボリックシンドロームになるということがわかりました。正確には、メタボと同様の健康リスクを抱えている方が多数存在することがわかったそうです。

今回は、なぜ太っていないのにメタボリックシンドロームになるのか、というところに焦点を当て、「やせメタボ」の特徴や予防策について詳しく解説します。

 

太っていないのにメタボと同じって、どういうこと?

前提として、メタボリックシンドロームは、高血糖・高血圧・脂質異常などの生活習慣病を患っている状態に加えて、過度の肥満であることを指します。メタボ診断では、主におなかに溜まった脂肪が基準値を超えていないかを計ります。そのため、多くの方にとっては肥満=メタボリックシンドロームというイメージが先行していると思います。

しかし実際は、肥満体型でなくてもメタボである方が一定存在するのです。こうしたやせメタボの原因の一つが、インスリンです。インスリンとは、食事から摂取した糖の取り込み、脂肪の分解の調整を担っているホルモンですが、筋肉や肝臓に脂肪が溜まると働きが徐々に鈍くなります。脂肪が溜まる=肥満と考えられていましたが、近年の研究で、普通体型の方や、やせ型の方でも、このインスリン抵抗性という症状が起こることが分かってきています。つまり、太っていなくてもメタボリックシンドロームになることがあり、同様に命に関わる病気を引き起こす可能性があるということです。

 

普通体型なのにメタボになりやすいのは、どんな人?

体格指数(BMI)が普通に位置付けされる、一般的な体型の人を対象とした研究によると、インスリン抵抗性が起こりやすいのは下記のような人であることがわかりました。

・内臓脂肪に限らず、全身の脂肪量が多い人

・運動の習慣がなく、年齢の平均よりも体力がない人

・デスクワークなどで日常的な活動量が少ない人

・体型にかかわらず、中性脂肪の値が高い人

・善玉コレステロール(HDLコレステロール)の値が低い

上記に当てはまる場合、太っていないという方でもメタボリックシンドロームのリスクを抱えている可能性が非常に高くなります。

 

やせ型でもメタボリになりやすい人(やせメタボ)の特徴

新たな研究結果では、BMI18.5未満の「やせ型」に分類される女性であっても、食べる量が極端に少なく運動量も少ない人では、肥満の人と同レベルでインスリン抵抗性を起こす可能性があることがわかりました。こうしたケースでは、食後の血糖値が下がりにくいことが報告されています。

このような「やせメタボ」は、下記のような特徴が挙げられます。

・日常的に食事量が少なく、運動量も少ない人

・全身的に筋肉量が少ない人

・年齢の平均と比べて体力がない人

・糖質の摂取量が少なく、脂質の摂取量が多い

これらの特徴に当てはまる方は、インスリンが効きにくい状態になっています。こうした状態が続くと、やがて命に関わる病気を引き起こす可能性があります。知らず知らずのうちに動脈硬化が進行して、ある日突然、心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な疾患を引き起こす可能性もあるということを知っておきましょう。

 

やせメタボを予防するための取り組み

やせ型でインスリン抵抗性が生じやすいという方は、総じて筋肉量が少なく、筋肉の質も低下していると言われています。体力・筋肉が共に少ない人は筋肉に取り込まれる糖が少なくなり、血糖値を下げる力が低くなってしまうためです。改善のためには、体をしっかり動かす習慣をつけること、栄養バランスの良い食事を意識して筋肉を増やすことが大切です。

例えばウォーキングなどの有酸素運動を取り入れたり、筋トレをしたり、タンパク質の摂取を心がけたりすることが効果的です。ご自身のメタボリスクを測る方法として、特定健診という方法もありますが、特定健診は内臓脂肪の蓄積量に着目した検査を行うため、体型的に問題がない場合にはメタボのリスクを指摘されないこともあります。そのため、検査を受ける際には人間ドックなど総合的な健診を活用して、動脈硬化がどのくらい進んでいるかをチェックするようにしましょう。

 

今日からできるやせメタボ解消

やせメタボを予防するには、食事の見直しと運動の習慣、禁煙、禁酒など、さまざまな方法があります。

以下では、日常生活の中で実践できるやせメタボ解消法を紹介していきます。

 

【食事】

・暴飲暴食をやめ、食事量が増えすぎないよう注意する

・よく噛んで、時間をかけて食べる

・濃い味付けを控え、薄味を心がける

・揚げ物や脂身の多い肉を控える

・間食習慣をやめる

・寝る前に食べない(夜食もNG)

・揚げる、焼くという調理法を蒸す、ゆでるなどへ変更する

 

【運動】

・運動を習慣化させる

・1日8,000~10,000歩を目安に歩く習慣をつける

・筋力トレーニングを行う

 

【喫煙習慣】

・禁煙する

 

【アルコール習慣】

・禁酒が望ましい

・飲む際には、適量に留める

icon web

Web予約

Web予約はこちら

icon tel

お電話

072-622-9060

JR茨木駅からすぐ 20時まで診療